老いのひとこと

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週に一度の鍛錬の場、何時ものようにお稽古を施して戴く。

面を外し防具を片付け形を打つ、お互いに打太刀仕太刀を入れ替わり打ち合う。

何分、有声は御法度で何時も気合を噛み殺す。

此の無声稽古では今以って気剣体一致の打突がおぼつかない。

闘志を剥き出しに対峙できる機会は此の日曜稽古の場を外せば

何処に在ろうか在ろうはずがなかろう筈なのにそれが敵わない。

折角の稽古ではあるが少しく欲求不満が鬱積いたそう。

それ故に通常稽古の後わたしはわたしだけの独り稽古を上乗せする。

制定居合を抜き、然る後法定の形を試みる。

何んと云っても此の法定の形が好い、全身全霊の気合を籠めて我武者羅に有らん限りの声張り上げて打ち。

我が非心を打つ。

既に道場は無人、われ独り。

まさに鶴来道場を独壇場にしてお稽古を享受する至福の一時が我が身許にあり。

 

最近法定の形を打ち損ねる。

齢の所為か手順を失念し始めた。

そのような些事を度外視して雑念を取っ払い全てを発散せよ。