法定の事≪9≫

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法定の事=一刀両断 その3


 


山田次朗吉先生が東京商科大学(現一橋大学)に奉職される1927年(昭和2年)に「鹿島神傳直心影流」が出版された。


その法定之部には当時の学生さんが演ずる「法定の形」の詳細を写真入りで解説されている。


山田先生直伝の正統派を継承する貴重な資料に他ならない。


桐田剣士なき今、此の資料を紐解き最大の拠り所と致し独学独習に相勤しむるのです。


そして、此の山田先生直伝の写真資料を補足せんがために鋭意此の拙稿「法定の事」を起こしている次第なのです。


 


 


⑬ 1(打太刀)2(仕太刀)共に閉足直立正眼の構えから打太刀はおもむろに左足を前方へ送り出す。


仕太刀は遅滞なくおもむろに右足を後方へ退く。


⑭打太刀はさらに右足、左足と大きく二歩体を前へ進める。


仕太刀は打太刀の動きに遅滞なく応じて左足、右足と大きく二歩体を後ろへ退く。


⑮打太刀、仕太刀共に閉足直立正眼の構えとなる。


 


⑯打太刀、仕太刀共に下半円を描く動作に移る。


打太刀、仕太刀共に正眼の構えを解いて剣尖を左下へ下ろし左右の腕は交差する。


次いで剣尖で下半円を大きく描いて吸気と共に両腕を左右に開き水平に伸ばすと同時に左足、右足の順に肩幅ほど大きく踏み出す。


此の時、左手人差し指は大地を指差す。


⑰次いで打太刀、仕太刀ともに左右の足を揃えると共に木剣を右前斜にして構えを解き打太刀は仕太刀を立合いの元の位置まで送ってから打太刀も立合いの位置まで引き下がる。


⑱打太刀、仕太刀ともに両脚揃え右前斜の木剣を正眼に戻して夏の演武二本目一刀両断は斯くして終わる。