老いのひとこと

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馬替地内の裏道小路をゆけばいつもの年老いし農婦が草陰から顔を出し互いに挨拶を交わす。

何の花ですかと尋ぬればフジバカマだよと応えてくれる。

花の時季も終えたので処分するのだと云う。

勿体なくはなかろうかと云えば一抱え摘んで持ってくまっしと差し出す。

有りがとさんと云っていただいた。 

早速、自作の花瓶に生けてみる。

とても優雅だが何処となく慎ましやかな風情を宿しあどけない少女のためらいがちな立ち姿になんとなく似ている。

 

万葉の歌人山上憶良も此の花を愛で歌に詠んだと云う。

調べてみるにこのような歌であることを知った。

 

萩の花(はぎのはな)・・・五文字

尾花葛花(おばなくずばな)・・・七文字

撫子の花(なでしこのはな)・・・七文字

女郎花(おみなえし)・・・五文字

また藤袴(またふじばかま)・・・七文字

朝顔の花(あさがおのはな)・・・七文字

 

何の事はない秋の七草を体よく並べたにすぎないが其処はやはり憶良は憶良たる由縁となるのでしょう。

此の577577の形式は奈良時代の旋頭歌と云う短歌の形式によるものだという。

平安時代になると57577という大和歌が和歌として定着することを知った、今日も又良い勉強をさせていただきました。