巨大な寄せ植えです。
天然の大木を活かした見事なガーデニングと云えまいか。
此の家のあるじは繁茂を嫌って根元三メートルほどを残して伐採したと云う。
其処に生じた脇芽が少しく成長を遂げ新芽が開き直ぐ下に房状の小花を咲かている。
此の古木の幹に絡まるように藤の蔓が巻き付き花房が芳醇なる香りを放つ。
幹裂けし古木ゆえサルノコシカケまでもが密かに自活するではないか。
よく見れば紫陽花がいる、南天もいる。
芙蓉もいる、その他名の知らぬ植物たちが挙って此の齢老いし老木を労わるように円陣を組んで寄り添い此の世の春を皆して精いっぱい謳い上げている。
この様な素晴らしい光景を目にしながら歩ける喜びをしみじみと嚙みしめるのです。