2022-04-14 老いのひとこと 旅順に散りし「英霊に敬禮ッ」とポーズこそ取らぬが軽く一礼を交して通り過ぎた頃もあったが此処最近はしばし直立不動の姿勢で三勇士のご芳名を暗唱し朝のご挨拶とお力を頂戴し無事歩ける感謝の意を表して一礼を捧げる。 日々の日課として何の躊躇いもなく執り行うことが慣わしとなってしまった。 今日は初めて出来事ながらご遺族と思しき御方にお会いすることが適った。 墓の辺りの草むしりのご様子で伺えば自分の主人の父親つまり舅さんのもう一代ご先祖に当たるのだという。 井山家に嫁ぎ恐らく面識なき義理の祖父の墓掃除をなされる健気なお姿に接し心和み温まった。 いつも生きる勇気を戴いておりますと気障なことを申さば変わったお方も居るものだと素っ頓狂なお顔でわたしをみて薄っすら笑みを漏らしてくださった。 わたしと同年輩かなとお伺いした。