老いのひとこと

考えてみれば此れと云った楽しみ一つあるでなし只いたずらに歳月が流れ去りゆく。

午前中はほゞ一ぱいをつかって外歩き、なにかしら変わりし見聞を探し求めてそぞろ歩く。

その合間を見てはスマホに入るメールに目を遣る日課をこなす。

メールにも相手にされない時はやはり寂しい。

そんな時は此方から呼び水を打つしかない。

耳が不自由なので緊急時以外は電話は掛けない、もっぱらメールでの交信をたしなむ。

息子に嫁たち、なによりも六人の孫たちとの遣り取りに暇がない。

実に他愛のない応答ではあるが寂しさ侘しさから開放される又とない妙薬たり得る。

 

神戸からと広島からの伝令がとどく。