老いのひとこと

目の検査の折に瞳孔を広げる目薬を施された所為か焦点が定まらず視界がぼやけ多少運転がし辛かったが強引にも風雨の中「能美ふるさとミュジーアム」を目指した。

新聞で見た「墨書土器」なるものを此の目で確認いたそうと先ずは手取フィッシュランドを目指す。

視力にハンデキャップを宿すので殊の外慎重に走行車線をゆっくり走る。

フィッシュランドを通り過ぎ目的地の標識に注意を注ぎながら低速で行く、幸い通行車両少なく事なきを得たのだがお目当ての「ミュージーアム」が終ぞない、其れらしき建物すらない。

既に車は小松市内に至り又しても改めておのれの認知機能の著しい劣化に嘆き悲しむ。

 

諦め帰路に付けば寺井警察署の大きな建物が目に入る、思い切って道案内を乞うた、とても親切な婦人警官であった。

何の事ははない直ぐ裏手に「ふるさとミュージーアム」あった。

無知の権化が又改めて又遅ればせながらも将(はた)又(また)恥ずかしながらも勉強になった。

縄文時代縄文土器

弥生時代弥生土器

古墳時代=土師器=輪積みで成形=野焼きで焼成温度800~900度で素焼きのまま=日本古来の技術

    =須恵器=轆轤で成形=登り窯で焼成温度1100     

     度で灰が融解し自然釉=渡来人の技術  

飛鳥時代

奈良時代=土師器に漢字などを墨書で表す墨書土器

流麗な筆使いで行書体の「吉」の文字が見える、進取の気溢れる能美人が大陸伝来の漢字・作陶術を素直に受け入れ見事に同化させた。

女性の筆致に間違いなかろう、ひょっとしてあの婦人警官の遠い遠いご先祖かも知れない、そんな思いを巡らせる。

 

平安時代=須恵器に漢字などをヘラや釘で表す刻書土器

    =浄土思想が広まると墨書土器や刻書土器は消  

                   滅した

 

此処能美の地は古墳遺跡の宝庫であること広大な敷地に散りばめられる余多の史料から心行くまで勉強できた。