老いのひとこと

「一生の不覚」を何度繰り返せば気ガ済むと云うのだ、又々しても不覚を執ったではないか。

焼き上がりに期待を寄せて「高床式倉庫」をアメ釉に浸しヤレヤレ一仕事終えたりと安堵し緊張感が緩んだ其の途端手許が揺らぎあれよあれよという間に地上に落下させてしまった。

絨毯敷きの床ではあったが一溜まりも無く四脚は圧し折られ粉々に散乱した。

万事休す、泣くに泣けない此の悔しさを周囲に気付かれぬように作り笑いでカムフラージュするしかなかった。

破片を拾い集め、チーフには此れでも一応焼くだけ焼いてほしいと願い出た。

ボンドで繋ぎ合わせてみよう。

イヤそうではない、次回には再挑戦を果たせばそれでよいことではないかとおのれを激励し納得させた。