老いのひとことおいの

雑草園顛末記

余りにもむごたらしい、松、百日紅らの樹木たちは好き放題伸び放題に枝葉を繁茂する。

然りとて手をこまねるだけでは精神衛生上よろしくない、恐る恐る藤井造園に電話すれば未だ健在だという仕事を承りますという。

都合のいい土日に又電話すると一応お願いすることにした、向暑の折暑くならない内にと念を押す。

何せ藤井さんとて八十中半のご老体、しかもお弟子さん抱えず当然わたしらが人足代りに早変わりするゆえ熱射病には注意いたさねばなるまい。

依って当日の仕事量軽減をと此のご老体の出来得る仕事を思い立った。

先ずは此の我が家の幾多の難を転じて呉れた「難転」こと大事な大事な「南天」を処理した。

とても痛い気なく不憫に感じたが思い切りよく鋏を入れ鋸を引いた。

見事なる南天の山が築かれた。

次いで木槿(むくげ)を手掛けた、これはお構いなしにバッサリばっさりやる内に見栄えのしない虎刈りになったが全然気にもならなかった。

ただ気残りは花芽もやって仕舞っので秋のお花は望めそうにないだろう。