老いのひとこと

新盆の頃には土用稽古があり旧盆にかけては暑中稽古と云うより猛暑稽古が待っている。

盆の最中の日曜稽古にはさすがの猛者連も敬遠なされ本日は幹事の山内さんとのマンツウマン稽古と相成る。

先ずは剣道形から入り難なく仕太刀の役終え、ところが最後の蹲踞姿勢が保ち得ず後ろへ尻もちならぬ背中から伸びて仰向けざま、何んと始末の悪さも此れ如何ともし難し。

胴着に袴だけで汗吹き出す有り様、其処へ面を被れば老体には確かに堪えるが「非切」を心して懸かりゆく。

一息の切り返しはもはや出来ない極力大被りに留意し気剣体一致を心掛けるが脚力の衰えには勝てない、悲嘆に暮れる。

正面打ちの基本打突にも精魂を込める、右足を大きく踏み出し振り被りざまに一気に振り下ろし打突と同時に左足の引き付けを意識的におのれに強いる。

兎に角気剣体一致のみを追求する、そりやあ真剣だ全精魂を一打突に込めて飛び掛かる、一本だけで十分だし満足致す。

次いで元に立ち相方の打突を受ける19本の連打を受ける、右に左へ体を躱し志気を鼓舞せんが為気合を籠める。

受ける元太刀が逆に懸かり手打太刀から扱かれるとは此れ情けない。

相方200本の正面打ちを熟せば当方精々20本なり。

それで十分大満足、今日も「剣道の汗」を流せた悦びを噛みしめた。