小手抜かれ 真っ向切り裂け ああざくろ
(お見事な小手抜き面を頂戴する。脳天が真っ二つに裂けた。まるでざくろのようです。ざくろは秋です。)
一の太刀 拙劣なれど 鬼あざみ
(身を挺して打った捨て身の初太刀は外れたというものの薊の刺のように相手には刺さっているはずだ。あざみは春です。)
老醜を さらして迄も 何故行かん
落ち武者や その行くみちを 落ち雲雀
(善戦むなしく花と散る。平静を装いつつ帰路につく、そのとき雲雀が急降下して行ったではないか。雲雀は春の季語。)
ああ 恥ずかしや はずかしや