下手糞老いぼれ剣士の独り言

国際理解のもどかしさ


朝の散歩で通りすがりに目にする綺麗な花が、いつも気掛かりでしようがなかった。たまたま、昨日ネット図鑑で調べてみるると八重山吹とわかった。
今朝も同じコースで黄金色に輝くこの花に近づいた時に、向こうより歩み寄る外国人と思しき女性とすれ違った。
彼女は両の手に大きなビニール袋を携えていた。わたしは何を思ったか、咄嗟に“美しい花ですね。この八重山吹は今が盛りで綺麗ですね”と声を掛けていた。
わたしは当然、その彼女から“そうですね。綺麗ですね。八重山吹というのですか”のことばが返って来るものだと察したのだが、彼女からは“今日は資源回収のゴミの日です。ビニールやプラスチックの回収の日なのです”ということばが返ってきた。とても流暢な日本語なのです。
それならばと判断し、わたしはなけなしの語学力で、ありったけの単語を連ねて、
ジィスイズ ヤエヤマブキ。ジィスフラワース ネーム ヤエヤマブミ。 ビューチフル、プリテイ、ワンダフルなどなど“
と大声で叫んだが、彼女から返ってくることばは、“今日はゴミの日です。プラスチックの日です。”の日本語であり、キョトンとした顔で応じてくる。
しかし、何処から見ても悪意はなさそうだ。チャーミングな笑みさえたたえている。
この人はこんなに日本語がお上手なのに、何故わたしの日本語を理解してくれない。
悪意はない、でも聞く耳を持たない。変な日本人の変な日本語にだまされるな。いきなり他人を信頼してはいけないとでも思っているのか・・・決して不快感はなかったが、もどかしさだけが残った。
普天間問題、尖閣問題、北方領土問題、そして今や放射能汚染にかかわる国際的な風評被害の問題等々と、もどかしさを感じることがらが多過ぎます。