下手糞老いぼれ剣士の独り言

尚道館日曜会稽古、意気高し

 (自戒の念を込めて更なる有効活用を期す)

日ごろ剣道を教えていただき感謝しております。
切り返しと正面打ちだけの基本稽古は魅力たっぷりです。
愚直なまでに基本線を貫き通す姿はとても立派だと存じます。
此処尚道館は平成の武士道養成道場に違わないとすら確信いたすところです。

つきましては下手糞な未熟者が厚かましくもものを言うご無礼何とぞお許し下さい。
此れは私自身への問い掛けであり、独り言に過ぎません。

切り返しに付いては何らいうことはございませんが、正直のところしんどいに尽きる。
大強速軽を念頭に打ち返すものの、どうしても速く軽くの領域には達し難い。
加齢と共に体力的に最早限界なりと思う反面、己に鞭打つことも決して忘れてはおりませんので各々方一つよろしく。


正面うちに関し二三私見を述べさせていただきます。

先ず、掛かり手の際はただぽつねんと機械的打つのはなく、緩急とか強弱や大小おりまぜながら創意工夫を凝らしております次第です。
特に、一歩攻め込んでからの正面打ちと、軸足たる左足を動かすことなくその場からの打ちとを峻別してやっております。
その際に、継ぎ足とならないように意識的に留意してますがお気付きの折には厳しくご指摘ください。
また、その場から打つ際には竹刀を振りかぶる動作の先に右足を摺り込んで為るべく前方へ送り込むように心掛けております。(右足攻め込み正面打ち)

ただ打つ動作の中に、いかにして攻めの気勢を溜め込んで相方に伝えればよいか、なかなか難しいのです。何か良い方法があれば教えてください。
なお極めて僭越なことなのですが、掛かり手が打突動作に入る前に、元太刀が打つべく意思表示を示せば起こり頭を捉える稽古になりはしまいかと存ずる次第です。

次に、元立ちに際してもただ打ち込み台やお人形のように一方的に打たれるだけではなく、其処に何かがないものかと思いめぐらせております次第なのです。
もちろん、元立ちなら元立ちらしく相方が心地よく打ち込めるように立ち振舞うは当然な事なので、此のことを大前提にした上で以下のようなことを提言させていただきますがどうぞよろしく。
生意気なことを申して甚だ恐縮なのですが、先ず一つは打たれた後の体捌きですが、通常は体を右へ捌きますが左への捌きをおりまぜてよろしいでしょうか。
二つ目は、掛かり手の打突の起こりを捉えて相打ちの体勢に入れるようなイメージを養うためのトレーニングを加味してもよろしいでしょうか。
これは、先ほどの掛かり手側の論拠からすれば先先の先の技の修得になりはしないでしょうか。
三つ目は、その折に気合をこめて呼気(若干発声)を伴ってもよろしいでしょうか。
四つ目は、同じくその折に当方の脳天を真っ二つに割られる覚悟で若干ではあるが我が身を呈する動きが入ってもよろしいでしょうか。
実際、真実脳天を叩き割られたような衝撃を時折体験しておりますことは偽らざる事実なのです。(くらくらと身がよろけます)
これこそ、死ぬる覚悟を自ら養成している証であり、わたしは恐れることなく甘受いたしておるところです。
いずれにしろ、掛かり手の打突に邪魔立てするような振る舞いはまかりならんことは十分に承知の上で、先生方のご高察を仰ぐ次第です。

何時まで続くかわかりませんが、体が持つ限り張り切りたいと存じますのでどうぞよろしく願いあげます。
体力の衰えは気力と剣の心でもって補う以外手はありません。
身いっぱい精いっぱい精進いたしますので今後ともよろしくご指導下さい。        各々様