老いぼれへぼ剣士の独り言

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八月初めの頃、例のようにふれあい公園の芝の上にいた。前方に金色色に輝く物体を見た。
ブローチかなと思いつつ近寄ると色美しき昆虫ではないか。
余りにも珍稀な光沢を放つので、おそらく孫たちも喜ぶだろうと拾って収得物とした。
後日、それを見た孫は開口一番”タマムシ”だと告げた。
それ、あの玉虫厨子タマムシだよと得意顔だ。
正直いってわたしは知らなかった。見たことすらなかった。
改まって、よくよく観察すれば実に奥床しき不可思議な色合いだ。
色弱という色覚異常者の目にすら、そう映る。
ネットで調べるに死してもなおその光沢は永遠に保つのだという。
大陸からの螺鈿文化に対抗する意味合いで日本国独自の玉虫厨子が存在するのだという。
永遠に光り輝く玉虫の翅に着目した日本人の奥深き叡智には恐れ入る。
まさに国宝であり、飛鳥文化の華なのでしょう。
そういえば、二三年前に県立美術館にて法隆寺展があった。
安置された薄暗い会場で玉虫で配色された厨子の一角を懸命に観察したのだが
残念ながら色弱者の目には届くことはなかった。
そんな想いが過ぎる一日であった。