うらなりの記(40)

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今日、児童虐待が社会問題としてクローズアップされ日夜醜聞を耳にする。
親が我が子に対し躾けと称して虐待行為に及んでしまう。
わたしが、あの時の親から受けた折檻はただ事ではなかった。
とても凄じいものであった
でもそれは私にとっては決して虐待ではなかった。
根に持ち恨むどころか心より感謝している。
 その時の感覚は今以ってわたしの五感に残っている
    
その三  父高橋忠勝(19)
 
万引き(下)
 
しかし、この場面にて他人のものを掠め取る破廉恥なる悪癖悪習に対する父からの鉄拳制裁という愛の鞭は遅きに失したとはいえ私を正気に導いた。悪夢から目覚めさせてくれたのだ。
許してくださいと声高に私も泣いた。共に泣いた。親子共々にして泣いた。
この年に父は新竪町小学校の教頭職から再度野町小学校教諭へと降格人事異動を甘受しているのである。
後日、私はこの父の勤務校遍歴の履歴書を見て胸が切り裂けたのである。