愛用の茶碗
人である以上過ちは繰り返す。
そのお手本がわたくし其のものでしょう。
完全無欠ではないので、欠点だらけであることをよく知っているので穴埋めをして、何とかまともになろうと反省はしてみるが、やはりだめだ。
そうこうしている内に年を取り、お先がだんだん見えてくる。
やりきれないね。
もどかしい限りだね。
Mくんよ、あの時は君の方から元気をいただいたよ。
ありがとうよ。
しっかりやれよ。
その四 鳴中や 通り過ぎたり 駆け足で(2)
五十一年生(中)
五か年計画は、生きる上での励みとなる。生きることは簡単そうで、そう簡単でもない。
勝ち組は、これからも勝っていかねばならぬので大変であろう。
負け組は、これまでの高邁な目標設定を少し下げて異質なものへ変えてみる。
もっと下げてもよい。気持ちが安まる。生きる勇気が湧いてくる。
私も明らかに負け組の一人だ。一介の凡夫に過ぎない。脛には多くの瑕が目立つ。
最早、往時の私ではない。七十五になってお声が掛かることに期待はするが、ひょっとして別のところからお呼びがあるかも知れない。