老いぼれへぼ剣士の夕雲考《58》

イメージ 1
 
前回にも述べるように古文書読解力乏しき悲哀を再認識せざるを得ない。
極めて悲劇的な局面、圓四郎が師一雲を打ちのめし「相抜け」相成らんと書き表す触りの部分だけでも此の目で確かめたいが敵わない不甲斐なさにげっそりなのだ。
処が先日県立図書館より、いとも簡単にお目当ての史料を探し得た。
判読不明の箇所も多々あったが、おおよその概要が掴めた。
重苦しい思いで接し、気分優れることは少しもなかった。
同時に、圓四郎一派の一雲観への宿命みたいものを感じとった。
とにかく、わが身の勉強不足をいやますます痛感するだけなのです。
 
 
『夕雲流剣術書』ーはじめに(13)
 
 
小出切一雲のこと=その5
   
無住心剣の教義を脅かすような、存立にかかわるような忌々しき事柄が今日云う処の、ある種の暴露本のようにして公にされてしまった。
兵法上極めて重要な流派の流儀とか教条という門外不出の秘め事が衆目に晒されてしまった事と相成ろう。