老いぼれへぼ教師の回想記《61》

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ろくでもない回顧録を振りかざして何になろう。恥知らずの愚か者めが!
お粗末トドマツジュウシマツなのだ。
 
 
その五 挑戦と試練挫折の河北台(9)
 
 
士族の商法=その9 
  
 卒業に必要とする単位取得と教職課程の中でも社会科の教員免許に関わる単位は難なく取得するも、こと商業科の免許状を取るのに殊の外難儀した。
 今から思えば、商業科の免許状を無理をしてまでして入手することがなければ、己が人生にずいぶん異なった展望が開かれていたかもしれない。
 商業実習の珠算の二単位は『可』で不合格の落第であった。
 簿記論や会計学は辛うじて六〇点のギリギリの『良』評価で何とか認定された。
 その裏には、実は何を隠そう担当教官の研究室で平身低頭の姿勢で事情を説明し懇願したのである。
逼迫した状況下で私には教員免許の必要性が迫りつつあったのだ。
 一見、情実が動いたかに見えるかもしれないが、立命館の名誉のために付言すれば金銭は元より物品等の授受は絶対に有り得ぬのである。第一貧乏書生に何をこそできようぞ。
 詰るところは、この二教科の考査には模擬実践を伴った実習課題が課せられることがなかったことが幸いしたのだ。 
 座学的論文形式であったのだ。おまけに当然のこととして教科書等の持込可と言う好条件の下でもあった。
 正直言って誤魔化しが効いた訳だ。 お粗末なことを開陳してしまった。
 実に恥ずかしい次第だ。