老いぼれへぼ剣士の夕雲考《76》

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夕雲流剣術書       小出切一雲 誌(2)
 
付記
Ⅰ 【】内の文語体 ( ぶんごたい )山田次郎吉 ( やまだじろきち )著「続剣道集義」にみる『剱法夕雲先生相傳』の写しであります。
Ⅱ 口語体 ( こうごたい )に訳した文章の本体は、株式会社東京コピー出版部発行(昭和54年)の渡辺一郎著『武道の名著』に収録される『夕雲流剣術書』の写しであります。
 その源流を辿れば、幕末期にその名の聞こえし天真一刀流の剣士白井 ( とおる )が所蔵する「夕雲流剣術書」を国学者山崎美成 ( よしなり )が書写した物を、体操傳習所が買い取り所蔵いたしました。
 その体操傳習所が所持した物を、誤謬脱謬 ( ごびゅうだつびゅう )を補訂して校合し東京教育大学付属図書館の蔵本として保管されました。
渡辺一郎氏は、これを史料として有効に活用なされたことになります。
渡辺先生は、本文の翻刻 ( ほんこく )に当っては底本 ( ていほん )の原形を保存したが漢字は底本通りもあるが一様に新字体となされました。
また、俗字・古字・略字・宛字等は底本の通りとしたが誤字脱字は訂正したとのことです。
更に、頭注(解説)に関しては単に語句の説明解釈にとどまらず、その出典とりわけ中国古典の検索につとめ、その内容の理解を深めるために関係伝書によって語らせるという方法を取られた解説なされております。
Ⅲ なお、この頭注 ( とうちゅう )並びに解説分も適宜 ( てきぎ )本文にくみいれ翻訳いたしました。
Ⅳ 原書は宏大無辺な東洋思想に満ち満ちているが、本書は実に稚拙 ( ちせつ )にして低俗 ( ていぞく )代物 ( しろもの )に過ぎません。
あしからずご容赦願います。