うらなりの記《79》

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高橋家次男 高橋鉄二家の人たち(1)
 
 昭和十三年生まれの次男鉄二は正に名は体を現すの喩え通り鋼鉄のような凛凛しさを宿していた。
 腺病質な脆弱体質の持ち主たる長男坊と異なり豪放磊落な気性は周囲からも将来を嘱望されていた。
小心翼々として弟の顔色を覗う有り様、幼心に負い目引け目を感じ取っていた。
兄弟喧嘩でも常に分が悪かったことを覚えるのである。