老いぼれ教師の回想記《101》

 
 
 
 
 
 
 
 
 
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その五  挑戦と試練挫折の河北台(続)
 
雑感=2 
 
②おもむろに、聖なる地に足を踏み入れた。自ずと足は剣道場に向いていた。
 しかし、錠前は無言で私を拒んだ。
次いで担任した一年五組の四十二名の諸君と一年二組の三十七名の諸君に、それと二年二組の三十一名の愛しき諸君たちと苦楽を共にした神聖なる学びの部屋を見届けようと捜し求めたが無慈悲にも、これまた間仕切りの無情なる障壁の前で弾き飛ばされたのである。
そして、職員室の前で暫しのあいだ躊躇いの気持ちを弄んでいた矢先にドアが開き鉢合わせとなる。
見るまでもなく津田文男先生だと分かった。残務の整理中とのこと、ご他聞に漏れず氏にもあの当時はお世話になっていた。
その折は体裁よく辻褄を合わせて置いたのだが深意と言おうか真意については口外しなかった。
小一時間の佇まいではあったが、わが教師生活のある意味異質な一エポックを形造った当校での三年間は、やはり『挑戦』『試練』『挫折』の言葉に集約されるのある。