老いぼれ剣士の夕雲考《98》

 
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夕雲流剣術書        小出切一雲 誌(24)
 
わが師夕雲とはどのような人物か
 
無住心剣術の誕生  
 
⑰【それより他流に立合て、只今の工夫自得の用を試るに、終に障る者なし、幸に先師の玄信いまだ在世なる故に自己の所得を談じ、聞せ、其上に立向試るに、玄信が秘々の八寸のかね迄打破て見るに、烈火の竹を破に似たり、】
 
口語訳
 
それより後には他流の者と立合って、今述べた通りの工夫し会得した用法を試してみても誰一人として邪魔立てできる者はいなかったのです。
幸いにも、先師小笠原源信齋が今以って現役でご健在であったので、夕雲は自分の会得した秘策をとくと説明した上で立合ってみられたのだが、師源信齋が編み出した「八寸の延金」をも見事に打破って仕舞われたのです。
まさに、烈火の如くに燃え盛る巨大な竹を撃ち砕く勢いがあったのであります。