雑草園顛末記《14》

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⑭ 百日紅
ヒラトツツジの根元に何時とはなしにサルスベリが一株同居し始め見る見るうちに巨大な大木にまで成長してしまった。
ツツジは植え込んだ記憶はあるがサルスベリは植えた覚えは何処にもない。
鳥の糞により種子が運ばれたに違いない。
余ほど生育環境がよろしかったと見え十メートル近い大樹に成長してしまった。
自然が為すままに形造った造園術だと言えば体裁は良いが、なんのこっちゃない只のほったらかしに過ぎない。
この花にわが家の実態を百日間も上から見下ろされて観察されているのだと思えばとてもこそばゆい限りだ。
幾ばくともない我が愛犬リりにはこの花の散りしく大地の上で最期を終えさせたい。
せめて願わくば花の終わりの時期まで命をば待ってほしい。
少なくともこの両者は共に捨てられっ子に他ならない。
 花より先に愛犬りりは先に逝ってしまった。
 サルスベリだけが寂しく咲いている。