2012-09-20 うらなりの記《101》 無題 #その他文化活動 イメージ画像 ⑦ 私は母に近づいた。母にはタオルケットが掛けられていた。 まさに文字通り薄っぺらなタオルケット一枚だけが見えた。 母のふくよかな五体はどこにもなかった。 余りにも無惨と言おうか無慈悲すぎる光景だった。 目だけは変わらぬ母の目であった。優しい目であった。 慈悲に満ち溢れたほとけの目であった。 よく来たね、待っていたよと母の目が語ってくれた。 間違いなく薄い笑みを湛えていた。