雑草園顛末記《》15

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⑮ 賃借菜園
 家から程ない箇所で借りた菜園を営む。
 営むと云えどもこれほど好い加減な菜園主はいない。
 野菜の栽培と云うより雑草の培養に精を出す人と云う方が近い。
 領有権を主張する魚釣島近海を何処かの漁船が不法侵犯したといって大騒ぎしている。
 わたしの雑草圏の勢力がお隣の畑にインベーダーのように入り込み、何と云おうが弁解の仕様がない。
 カタバミの果実は裂開して無数の種子を辺り一面へ拡散する。
 また、タンポポの果実は風に乗り果てしなく飛び散っている。
 イネ科の雑草は今まさに実りの秋だ。
 手の打ちようがない、お手上げだ。
 畑へ参ると精神衛生上よろしくない。
 いつも鬱々とした気分になってしまう。
 ならば、辞めれば済むものを性懲りもなく足はついつい畑に向いてしまう。
 実に煮え切らない、優柔不断なヤツだ。
 
 雑草の中からサツマイモを見つけた。
 御芋の大好きだったりりに先ずはお供えした。