老いぼれの中国紀行《5》

イメージ 1
 
中国紀行

⑤ 常住人口が千七百万人を超える中国第二の大都会上海の街中を車中より伺えば無数の高層ビルが林立する。
どれ一つとして姿、形、高低も色取りも同じものがない。
考えてみればいずこの都会へ行っても多かれ少なかれいえることには違いはないが、ここ上海においては殊の外このことを鮮烈に、しかも明確に印象付けられた。
奇抜な形態と様式を競いながら各々が己の特性を衆目に強固にアピールしている。
形式的に画一化と均一化された、型枠にはめ込まれたようなお国柄だと思いきやとんでもない。
傍から見てもはみ出し行為として糾弾されたり、危険分子として排斥されはしまいかと気掛かりになるのである。
この光景はどの方角から観察しても、決して此処が共産主義国家だとは言えるはずがない。
世界第二位の覇権大国に伸し上がった勇姿を誇らしげに開示している。
 
ところが、この際の反日暴動で目の当たりにした放火略奪の醜態は、大国としての威信を瞬時にて潰え去らしめた。
愚かにも全世界に電波を発信してしまった。
この失点の大きさに、逸早く気付いた彼の習近平次期主席は話し合いによる歩み寄りを示唆したらしいとの報道に接したのは昨日のことでした。
さすが対応が早い、動きが早い。
ところが今朝、四十周年記念式典破棄の知らせは悲しい限りではあるが、今秋開催予定の共産党大会にて習体制が整った暁には、願わくは善意ある措置で何らかの新しき動きのあることに期待するしかない。
一方、われ等が宰相野田総理は国連にて何をこそアピールするのか、この難題解消のためには国益主張よりよわごしへっぴりごしでもよい歩み寄りしかない。
アメリカの軍事力だけに頼ってほしくない。同じ東洋人同士先人たちの叡智を取り入れてあなたの政治力で歩み寄ってほしい。
今こそ、野田さんあなたの人間力発揮の場なノダ。
人間力が試される場なノダ。
あなたの行動力で、起死回生のクリーンヒットに期待しています。