老いぼれの独り言

イメージ 1
 
 ウラジオストクのAPEC首脳会議での立ち話で胡錦濤は“国有化断固対”を表明した。
その二日後に野田総理は国有化を閣議決定してしまった。
 この事が胡錦濤の琴線に触れただけではなく激怒の果て最悪の事態に迄至った。
 地権者に20億円余りを国家予算の予備費より支払うのだと報じられた。
 閣議での異論噴出の報道は何処にもない。
 全会一致で事もなく決まったとすればまったく話にもならない。
どうなっているのだ。外相や外の閣僚から何のアクションもなかったとすれば大変な驚きだ。
 今見るこの事態を事前に予見する人物が閣内にいなかったことは余りにも政治家としての危機意識が乏しすぎはしまいか。
この政権は、その時点で消滅したも同然だ。
仙谷さんのような先見の明ある人物がいなかっことは実に寂しく痛い。
野田さんは多くの国論を排して消費税に挑戦しTPPに立ちはだかった。
信念を貫かんとする政治姿勢は大いに是とした。
処が、都知事が火をつけた尖閣国有化なる国家主義思想は燎原の火の有様であった。
国論が沸騰し右傾化に拍車が掛かり歯止め利かないと見た総理は、この国論に便乗してしまった。
離党者続出し支持者は離れ去り政権支持率低迷の中、総選挙惨敗の悪夢を掻き払わんとこの右傾化国論に相乗りし延命策を講じた。姑息さが目に余り、情けない。
世論調査と云う国論に翻弄されることなく、あなたの信念をなぜ貫き通さなかったのか。
せめて、あなたにだけは先を見る目がほしかった。
“馬鹿げた茶番劇”を書いたあの著名なるシナリオライター兼演出家のお方は、この惨劇にまで至った日中関係をも見通したはずだ。
そして、勿論民主党政権が窮地に陥り更なる政権交代の日も図柄に描いたことでしょう。
賢明な作家で居られるので、その打開策も構想に御有りのこととは存じ上げる次第だが何故かしらお姿が・・・
片や野田さんは、まさか胡錦濤の前で頭を下げるわけにはいかないだろうから、自らの手で潔く詰め腹を切って、この事態収拾に政治生命を日本国家のために捧げてほしい。
政治家は自己犠牲の意味を知らねばならない。
誰かが犠牲にならなければならない。
野田さん、名を捨てて実をとればいい。
歴史に残る名宰相の名をレリーフに刻み込めばそれでいい。
その前に野田さん、「相抜け論」とか「老子道徳経」とかいろいろあるので是非決断実行の前に目を通していただきたい。
外向きで排他的攻撃型愛国心よりも、わたしはなよなよしていて内向きであってもよい、直向きで充実した独創的な愛国心の方がずっといい。
そういう健気な愛国心が育つような日本国であってほしい。