老いぼれの独り言

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NHKはアメリカ大統領選挙の開票速報をほゞ終日伝えていた。
現地のABC放送を生放送で同時通訳しながら中継していた。
異例と云おうか、むしろ異常すぎるトーンの高さに少々驚いた。
日米間の利害関係についてはさて置くとして画面から見た幾つかの印象を呟きます。
アメリカ合衆国は、やはり前向きで健在でした。
シカゴに参集した夥しい数のオバマ支持者が画面にあった。
小さな国旗を手に寸分の隙間なく立ち竦める大群衆が屈託ない陽気な笑みを湛えながらオバマの登場を待つ。
ひたすら待つ、延々と待つ。
ステップを踏み、全身を躍動させながらオバマの登場をひたすら延々を待つ。
身動き一つ許されぬ空間でよくぞ数時間に及ぶ長い間耐え得たものだ。
国を思う心、国を愛する心、オバマに期待する心以外の何物でもない。
体力よりその精神力と忍耐力に感服した。
 其処には、苛立ちの表情はどこにもなかった。
だいいち小用に立つような不届き者はいなかったではないか。
両人共々、自分たちを支援してくれた全ての人たちへ敬虔なる感謝の辞を述べていたのはとても好印象。
そして、両者互いにお互いの労をねぎらい健闘を称え合い、敗者ロムニーへ拍手を呼び掛ける一言を決して忘れてはいなかった。
最後は、フエアプレーでピリオドを打って後腐れがないように演出したのは流石だ。洗練されていると思った。
分断の極限に在った昨日から今夜は結束と団結へと方向転換する、その変わり身の早さにも驚いた。
この国とて両院のねじれ現象と決められない政治に七転罵倒している。
雇用対策など難題が山積しているのだという。
当選祝賀で浮き足立つ暇は何処にもない。
オバマは例のように、白人も黒人もピスパニック系もアジア系も原住民もない。
また、老いも若きも貧者も金持ちも、更には民主も共和もない全て合衆国の構成員として国家の再建と繁栄のために汗をかこうと嫌味なく誠の眼差しで呼び掛けていた。
まさにノーサイドで、一つのユナイテット ステーツ オブ アメリカを呼び掛ける勝利宣言だった。
アメリカ合衆国の勝利宣言を聞いているようにさえ思えた。
 
片や、自国に目を転ずれば民自の対立に第三勢力が絡み陰湿ないじめごっこに齷齪し、相も変らぬ揚げ足取りゲームに執着しているではありませんか。
国民に訴える生きた言葉がない。国民を勇気づける言葉がない。
オバマのような国民に夢と希望を託するような言葉がどこにも見当たらないのです。   寂しいのです。
政局がらみの党利党略に明け暮れし、言っている事為す事すべて次元の低い事ばかりでうんざりするであります。
誰しも自国をこよなく愛したいし、愛し続けたい。
わたしとてそう願うのですが、何ゆえこんなにも醜い自虐的人間になってしまったのか・・・やはり齢のせいでしょうか・・・
反省して生まれ変わらねばならない。
でも、果たして何処に生まれ変われば良いものか・・・