老いぼれの独り言

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先週土曜日12月8日、2次大戦の開戦記念日にNHKは「戦艦大和」を放映した。
軍国日本の最後の砦が敵陣に帰する悲痛なる場面をいやと思うほど見せ付けられた。
NHKの放映の意図が何処にあったのか空っぽのおつむを (ひね)くってあれやこれやと考えあぐんだのだが・・・
兎に角、1週間後には国政選択の場がやってくる。
 
「大和」を見て戦意高揚心を奮い立て愛国心がめらめらと燃え (たぎ)れば好戦的有権者は自ずと石原・安倍カラーに染まり行くことだろう。
同時に、憲法改正を声高に叫び国防軍創設と集団的自衛権容認派を大いに利することだろう。
片や一方、犬死同然に幾多の尊き若い命が消え散って逝った場面からは厭戦反戦思想を更に確信し確固不動のものと致し、志位さんや福島さんフアンを喜ばせる結果と相成ったことであろう。
勿論、NHKは中立的な世論形成を目論んだのだろう。 
しかし、今や何処となしに日本國中が右傾化せんとする不気味さが胎動する中においては変な胸騒ぎがしてしかたがない。
 
大和に乗務した三千三百三十二人の若き海軍の精鋭は「特攻隊」の名の下、嬉々として片道切符を手にし自ら退路を断ったのでした。
「総員 死に方 用意」の命が下った。
 
わたしは、その場面から満身創痍の野田精鋭部隊の隊士らが師走総選挙に死に物狂いで挑んでいることと重なってしまった。
不謹慎極まりないことだが、戦艦大和の艦長と野田総理とが不思議と重なり合ってしまった。
全てを達観しきったような哲人のような形相にもみえる。
また、血走った眼からは「相討ちの決闘」に今臨まんとする古武士然とした武将の姿が拝見できる。
今日も茶の間のブラウン管に其のお顔が寂しくも凛として映し出されている。
七日後に塗り替えられる日本国の政治地図を全て御見通しのようだ。
 
NHKのスタッフが敗者への惻隠の情を新たにした振る舞いのように思えてならない。
生存者が多からんことを祈っているように、わたしの目には映ってしまった。