うらなりの記《108》

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⑭ 私は高校三年の秋たけなわの頃に、母と同じ国立金沢病院の精神科病棟へ入院した。
入院せざるを得ない羽目に陥っていた。
むしろ、自ら率先して治療に専念するべく決意したことになろう。
対人恐怖症という神経衰弱であると診断され、鉄格子入りの精神病棟に隔離されることに敢えて自ら同意した。
鬱蒼と樹木が生い茂る病院敷地の裏手の崖っぷちに建っていたと記憶する。
陰鬱とした薄暗い処置室で私は電気椅子ならぬ鋼鉄製のベットに手足をロープで縛られる姿で電撃ショック療法を甘んじて受けました。