孫旅」の思い出《3》

イメージ 1
              さすが高2の孫は照れくさげに苦笑い
 
「孫旅」の思い出=その3
 
2 セイスモザウルスの巻
 ケイタは夢にまでみた恐竜博の会場、幕張メッセの大きな9号館を目の前にして、心臓がドキドキするのがよくわかった。
 ケイタは行列の先頭から7番目だったが、アットいう間に長い長い行列になってしまった。
次から次へとお客さんがやってくる。
 ケイタは思った。長い長い行列が、まるで恐竜のシッポのように思えて仕方がなかった。
世界1大きいセイスモザウルスの前で、小さなケイタが怖じけることもなく堂々と大きな声でさけんでいるように思えた。
「今にみていろ、ケイタだって大きくなってみせるよー。世界一大きい心を持った人になってみせるぞー。」
じいさんは、ケイタのそんな声が聞こえたような気持になった。
とにかくケイタのお目目は輝いていた。
 セイスモザウルスの前で約束したので、恐竜さんも「そうか、そうか」とうなづいているようでした。
 また、ケイタが恐竜の化石の発掘現場で重いハンマーを持って一生懸命に発掘の体験をする姿がとても印象的に映った。
 じいさんは疲れて歩けなくなると、ケイタは「それなら、じいちゃんはこの休憩所のベンチでジュースでも飲みながら待っていなさい。
ケイタ一人でもっとたくさんの恐竜をみてくるからね」といって、大勢の人ごみのなかへ消えて行ってしまったのには、随分魂消たが半面頼もしくも感じた。
正直なところ、迷子になったらどうしようかと心配もしたが、しばらくして元気な顔を見せてくれたのでやれやれと胸を撫で下した。
ケイタは本当に冒険旅行をしてみたかったのに違いない。
普通、誰しも「過保護」と云う檻の中から解放されて外の世界を自由にのびのびと飛び跳ね回ってみたいものなのでしょう。