[孫旅」の思い出

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「孫旅」の思いで=その6
 
4 ホテルの巻(2)
 
胸騒ぎがだんだん大きくなった。
じいさんは慌ててトイレへ走った。
ケイタケイタと何度となく名前を呼んでも返事がない。
これは大変なことになってしまった。
ロビーを探すけれど、ケイタはいない。もう1度、トイレへ戻って声を掛けると、しょんぼりとした顔をしてケイタがでてきて、トイレ汚してしまった、ごめんなさいという。
 見ると、軟らかいうんちが便器についている。
健気にもケイタはトイレットペーパーで自分のうんちをふき取ろうとしている。
なんと、素晴らしい
ケイタはすごい。
 ケイタは立派過ぎる。泣き言1ついうでなく、じいちゃん、ケイタのパンツもズボンも汚れなかったので、よかったねえという。
じいさんは涙がでてきた。
じいさんはケイタにたいへん悪い事をした。
ケイタよ、堪忍してね、許してね、と心の中で思った。
じいさんの孫にしては、出来過ぎの素晴らしい孫だと思った。
ケイタには、「自分のことは自分でする」自主性がちゃんと育っていてうれしく思った。
 後始末をして、一緒に石鹸でお手手をきれいに洗った。
とても、気持ちがよかった。
お部屋にもどったケイタは機嫌よく、お家へ電話を入れた。