老いぼれの独り言

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お彼岸に野田山墓地に踏み入り津田家の墓を捜すが行き着くことが叶わなかった。
確か、此の一角だろうと目星をつけてそぞろ歩くのだが同じような個所には遭遇するが終ぞ探し当てることが出来なかった。
山の冷気は身に染みたが梢の先には青空が広がりあちこちから小鳥のさえずりが飛び交う。
足元では、深々とした絨毯の上に居る感覚で杉枯葉のクッションにわが身を任せた。
どんぐりの実がまだ原形を留めたまま敷き占めている。
斯波玄蕃正邦には出くわしたが金太郎近義と清三郎近猷には逢えなかった。
ただ、柘植家の墓地で一基の燈籠が無惨にも倒壊していた。
管理棟へ通報せずにその場を離れた。
たまたま野田町の末岡家に立ち寄り墓守をする墓番に関する情報を頂戴致そうと話しを持ちかけたところ実に信じ難き真相に遭遇することとなる。
何のことはない此の末岡家が津田家の墓守を江戸藩政期より延々と今日まで担当なされていたのだ。
合縁奇縁と云おうか、人の世のご縁の不可思議さを今更のように思い知らされた。
末岡家は故末岡敬正先生の実家に他ならない。
驚くべきお彼岸の御利益であった。