齢を取って視野が狭まった。
守備範囲も狭くなりもっぱら守るだけだ。
其れではいかんと外に出て攻めて見たのが「鰊」であった。
鰊は日々練習し錬磨を積む「練」と「錬」に酷似する。
だから、「鰊」に拘るのかも知れない。
ニシン異聞
ことさら珍しくもないお話しだがご近所の水口さんにお逢い致しますれば例の糠漬けニシンをまたまたお裾分けしていただいた。
その数10尾は数えたので見積もれば差し詰め1000円ほどの頂き物になる。
物見高い穿った物の見方考え方で先方さんには無礼極まりない。
相変わらずの嫌な奴だ。
その折に、「お蔭でわたし流の自家製糠漬けニシンの作業が終わりました」とお礼を述べますれば水口さんからは次のような言葉が返ってきたではないか。
わたしが挑戦するであろうことを見越して身欠きニシンを別枠で注文していたのだとおっしゃる。
先回りした親切心に頭が下がる。
然すれば、わざわざ近江町まで買い出しに行く必要がなかったことになる。
いささか頓馬で間抜けなことしてしまったとお頭を掻き掻き高笑い致した次第です。
ちなみにお値段をお聞きすればキロ当たり1700円だったという。
なる程なる程と頷くばかりです。
次年度には一括購入の仲間入りを固く約束して置いたのです。
わたしには練習と錬磨あるのみなのです。