老いぼれの独り言

『立つ鳥跡を濁さず』という。
少なくともわたしのイメージではスズメやカラスあるいはムクドリとかモズの類いではない。
やはり、群れを為すことを好まぬ孤高の鳥『サギ』がうってつけだ。
微動だにしない不動の姿勢で時の経過を忘れたが如く獲物を待つことしきり、何とも心憎い光景ではないか。
そして、何の予兆もなく閃くように天空に舞い立つのです。
何事もなかったのように原風景に戻り残像がしばしその場にとどまるのです。
なんらの痕跡をとどめることなく『有終の美』を飾るのです。
間もなくして、わたしの「お役御免」の時期がやってくる。
ふと、公園横の倉庫の清掃を思い立った。
有志のものと共に雑然と置かれし物品を全部外に出し敷物もはずして土砂を掃き清め、整然と模様替えを致したのでした。
見違えるほどに美しくなった。
為すべきことを為し遂げたので気分も清々した。
取り立てて論うほどの事柄ではないのだが校下の運動会や夏の家族会の事など在りし日を思い浮かべ過ぎ去りし一か年にある種の情感を覚えたのでした。
「立つ鳥鷺」の心境になって少しばかりしんみり致した次第なのです。
今日は春の陽光がふんだんに降りそそいでいる。
 
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