老いぼれの独り言

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 午前7時から午後8時まで正味13時間に及ぶ投票立会人の任務を滞りなく全うした。
 いや、もう少し正確に云えば午前6時30分に投票場に集結点呼完了、投票締め切り後会場の備品整理後タクシーにて投票箱を開票拠点である中央小学校体育館に搬入し帰宅したのは午後9時を少し回っていた。
 従って、実働延べ14時間30分と相成る。
 HABアサヒTVの「宮本武蔵」に辛うじて間に合ったわけだ。
 アメリカ西海岸やニュージーランドへ軽くフライト出来そうだと苦笑した。
 なにぶん、冷房の効いた硬い椅子の上で身じろぎもせず縮こまっていたのでエコノミークラス症候群を真から警戒した。
 其の上、選管の方より「私語は罷りならん」
「勝手にわけもなく自席を離れるな」
「トイレはその都度責任者より承諾を執れ」
「昼食は別室にて手短に摂れ」
「書物の盗び読み飛んでもない」と厳しい御達しを受け賜わった次第だ。
 もっとも、クリミヤ半島のような緊迫した劇的政変を宿す雰囲気は有り難い事に此処にはあるはずがない。
 百万石の城下町に相応しく不穏な波風を覗わせる様子は微塵もないのです。
 とは言っても対抗馬が競い合う選挙戦ゆえ各候補者の方々には熾烈ないくさに違いない。
 ところが、その意気込みが有権者に乗り移ったようすは余り見受けなかった。
 みな淡々とした面立ちで投票箱へ投票用紙を捻じ込ませるだけなのです。
 
 中にはまれに投票箱を素通りして退席為されようとされるお方がいるのです。
 すかさず、立会人のわたしたちはお声を掛けて呼び止めるのです。
 「投票箱はそこにありますよ」と注意を促がすとみな素直に従ってくれました。
 故意か悪意で以って為すと云うより投票箱に気付かなかったのでしょう。
 此の擦り抜け行為を立会人たるわたし等が看過し見逃してしまわないように細心の注意を払ったのです。
 大過なく大役を終えることが出来たので「宮本武蔵」を心行くまで堪能できたのです。
 意外にも、お小遣いまで頂戴し恐縮いたしました。
 何と云っても実に得難き体験、これこそ「冥土の土産」に持ってゆかねばなるまい。