老いぼれの独り言

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年寄りの冷や水になりますよ。
 そんな無茶をしてはいけません、悪い事は言わないから止めが方がよいですよと誰しも慰留なされる。
 とても温かいお言葉には違いないがわたしにはそれを素直に受け入れる気持ちはまったくと云っていいほど持ち合わせない。
 片意地張りの典型である。
 いささか大袈裟すぎるのだが果たし合いの場に腹が痛いとか熱があるとか腰が痛くて突っ張るとか弱音を吐いて相手に背中を見せられましょうか。
仮に歩行困難の窮地にあっても仮に敵陣に(くだ)る事を承知したにしろ大義は果たさねばなるまい。
 今時何を古くさい事を抜かし上がると揶揄されようとも少なくとも武道を嗜む以上は此の気概だけは貫き通さねばならないとわたしは思うのです。
 武道を学ぶ端くれものならば此の一概さ一徹さを育むように日々研磨し修錬を積み上げねばならないと思うのです。
 先日は守山道場から鶴来道場へ場所を替え日曜会稽古に遅参しながらも加わった。
 恥も外聞もない、持てる全てを出し切って死力を盡した。
 打ち込む余勢で前へ突進する余力は何処にもない。
 よたよたと崩れ落ちるようにそれでも送り足の捌きだけは死守した。
 さまにはならぬが残心の気勢だけでも示さねばならぬと誠心誠意心掛けた。
 残心を示す先に当方の脳天真っ双つ絶命致す身で残心は不要とも心得たがそれでも美しき残心姿勢を精一杯心掛けた。
 これこそが言うに言われぬ剣道三昧であり剣道の醍醐味ではなかろうか。
 美しいお面を一本頂戴することも大事だがそれ以上の深い味わいが此の剣道にはあることにその時気付いたのです。