ニュージーランド行き《6》

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ニュージランド紀行 二〇〇六年三月二十六日~四月二日
 
⑥此処ニュージーランドの面積は北島と南島合せて27万平方キロ程度でわが国のおよそ70パーセントぐらいらしい。
小さな島国だったので滔々と水をたたえる大河こそそんなに多くは見掛けることはなかった。
そのほとんどが中小のまるで枯山水を思わせるような水無し川であり、自然の赴くままに縦横無尽に蛇行して流れていた。
そして間違いなくその全てがまったく人手の入ったことのない自然堤防ままなのだ。
処女のような初な姿にこれまたぞっこん惚れ込んでしまった。
バス沿線を通り過ぎる鄙びた集落には人影こそ多くは見掛けなかったが慎ましやかに営むこの国の善良な放牧民たちの日常生活の一端を垣間見たような気がして何故かしら気持ちが安らいだ。
地球の裏側にも息づく庶民の生活の匂いをバスの窓越しに感じ取ったのだ。
加えて、その街外れには必ずといってよいほどに美しい水をたたえた小川がうねうねと横たわるのである。
おのずと、“春の小川はさらさら流る 岸のすみれやれんげの花に・・・・・”恐らく、“えびやめだかや小鮒たちが群れていように・・・・・”故国の懐かしきメロデイを髣髴として思い出すのである。
岸辺には色とりどりの初秋の花々が咲き乱れていた。
季節こそ逆転していたが紛れもなく郷愁に誘われ深くノスタルジアに陥ってしまったのはわたし一人だけであったのだろうか。