老いのひとこと

イメージ 1




春らしい陽気に誘われて久し振りに野田山をみてきた。


 先ずはわが実家のご先祖に手を合わせわが一族らの安泰を報告し感謝申した。


 自転車ゆえ山頂までは大層なので鉄二への挨拶は割愛させてもらい清三郎のもとへ出向いた。


 ヒイ祖父さんになる近吾こと香太郎が待って呉れていた。


鉚さんには百寿を全うなされし千代子儀のことお話しさせていただいた。


倒壊し伐採された巨木上溝桜には既に新しい生命が宿り息吹き始めて芽吹いた若々しい新緑が顔をだしとてもにこやかにしているではありませんか。


ただ、シキミの樹が雪の重みで倒れかけお隣の墓石に覆い被さっていたのは些か気掛かりだ。


わたしの人力では動かし難く処置なしでした。


今を盛りに「香の花」が咲き誇っている。


幾本か手折りしままに持ち帰ろうと採取してしまいました。


山を下るうちに小堀遠州家脇の山桜が今年もまた雪害に合い太い幹が引き裂かれているではないか。


どう見ても落雷にはみえなかった。


場所が場所為るが故何かの祟りなのか悪霊に執り付かれたのかも知れぬが少なくとも此のわたしは未だ此の種の霊界には感化はされてはいないのであります。


早晩枯れ行く定めと理解し、法律違反を承知の上此処でも桜の枝を何本か捥ぎり取ってしまったのです。


下手をすれば、器物損壊罪で3年以内の懲役か30万円以下の罰金に処せられるらしいのです。


お持ち帰り迄いたしてしまえば、窃盗罪に該当し10年以下の懲役刑か50万円以下の罰金刑が来るらしいのです。


くわばらくわばら、斯くも怖い事とは夢知らず当日は自転車の荷台に括り付けて白昼堂々と公道を通り抜けて参りました。


誰からもお咎めはなかったのだが六法全書を見てびっくりして飛び上がった次第なのです。


それにしても、モノの命を活かすも死なすもその御仁の手の内心の内しだいだと思うのです。


花瓶の蕾は今を盛りに咲き誇っています。