現代美術展を観てきた。
偶々、彫刻作家の直々の解説に出逢いラッキーだった。
素材は原木だけではなく石や粘土や石膏、鉄片、樹脂など様々で立体的造形で以って美をどことん追究している事がよく分かる。
なかでも、ある意味精神が少しばかり遅滞気味で何らかの障害を来たしているであろうと思しき少女像の前に釘付けになってしまったのです。
やや伏し目がちで何んとも遣り切れない虚ろで切ない眼差しを此の作者は瞬時にして捉え見事に表現しているのです。
第一流の芸術家の鋭き感性をわたしは素人なりにキャッチさせていただきました。
この作品に出逢っただけで「現美」に足を運んだ甲斐が在ったとさえ言えまいか。
「彫刻」のジャンルにある粘土を焼いた作品と「工芸」の部類に属する陶磁器の作品の接点とか相違点は何処にあるのでしょうか。
此の両者を歴然と峻別することは極めて難しいし極めて曖昧なグレーゾーンに位置する作品もさぞかし多かろうとお察ししたしだいだ。
同様に、「日本画」と「洋画」の境界線も在ってないに等しいのでないでしょうか。
また、剣道防具の大作にはもう少し汗臭い泥臭い雰囲気が欲しかったし、離の瞬間を捉えた女性射手の弓手をリアルに描写し弓返りさせるべきではなかったでしょうか。
ペットポトルを裸で持ち歩いたらバックに仕舞っていただきたいとご忠告をいただいた。
高い文化的価値ある数多くの文化財に囲まれた、造詣深い文化都市金沢に相応しい文化的マナーが此処では要求されるのです。
それを指摘され、いい歳抱えて一本取られました。
迷路のような広大な館内をくまなく歩いた。
鑑賞眼のみならず相当の体力と脚力を養い得ました。