今日は野焼きの日、われらの陶芸教室分を含め八つの各種窯元団体からの出品作品が集うのでその数たるや夥しい。
浜辺に山積みされた段ボールの中から新聞紙に包まれた作品をまるで腫れ物に触るように取りだし其れをまた別の個所にそっと移し替える。
一時の炎天下の酷暑の遠のき今や初秋の浜風は至って心地よい。
作業は大いに捗ったのだが実は我らにはもう一つお目当ての作業が待っているのです。
教室生の仲間たちの昼食を作る賄い事が宛がわれているのです。
それにしても、わたしは持参の七輪に炭火を起こさねばなりません。
松ぼっくりの威力遺憾なく発揮して瞬時にして一発で着火して呉れたのです。
こちらはマッチ棒による点火で済ましたが本来なら野焼きの現場にいる以上は古来からの仕来りに則り火きり棒を火きり板に押し付けもぐさに引火させる伝統方式に拠るべきではあったが時間の都合上割愛せざるを得なかった。
実を申せば、わたしの七輪で本日最大のお目当てになる「七輪窯の火入れ式」を秘密裏に執り行おうと決めていたのです。
例の外環道脇の額四峠にある竹藪から採取した自家製粘土の試し焼きの日に他ならないのです。
良く捏ね合せひも状にし丸くドーナツのようにして
七輪の火皿の上に置いた。
ところが、燃焼温度が十分とは行かず更に燃焼時間も一時間強でまったく足りなかったようだ。
せめて、燃えたぎる炭火の上に此のドーナツを置くべきであった
一応、原形は留めてはいたが素焼きされた状態には行かずやはり脆くも二つに割れてしまった。
確かに失敗と云えば大失敗だろうが成功だと申せば十分に大成功に値するとわたしはそう信じたい。
次回はもっとふんだんに炭火にくべて時間を懸けてじっくり再挑戦しなくてはならない。
さては、此の額四陶土で「ぐい呑み」でも焼き祝杯を振る舞おうではないか。