老いのひとこと

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江戸時代の昔に、街外れの峠道に鄙びた茶店があって人の好さそうな爺さんが留守番をしている。


そんな場面に打って付けの徳利のようです。


分厚くどっしりした構えなので熱燗が似合いそうだ。呑兵衛には壱合では物足りぬのであろうからあと3勺おまけ付きになっている。


相も変わらず野暮で鈍臭い、洗練された優美な気品は何処にもなかろう。


しかし、わたしの目には此の上なき絶品に映る。


愛でるものが一人でもいい誰かが居ればそれでよいではないか。


何と云ってもまだら模様の地肌が心憎いくらい美しいではないか。


どんな粘土をどんな割合でブレンドしたかはまったく記憶にない。


偶々、偶然の為せる業なのだ。


寂しかろうと縦の線を施したが濃淡の起伏があってよいではないか。


目立たぬ存在ではあるが精一杯化粧をし我が身をアピールしてみせたかったのでしょう。


ふと見つけた不自然に描き出された「人相ヅラ」と睨めっこでもしながら雪がないけど雪見酒と洒落込むことに致しましょう。