老いのひとこと

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電動轆轤の体験学習の折りに大小織り交ぜて四点ばかりの試作品が誕生致しました。


内一点はご飯茶碗として既に日常品になりましたし大き目の双つは丼ぶり茶碗か饂飩茶碗に打って付けのようなのです。


最後の四つ目がどうしたことか品の好い抹茶碗に仕上がった。


回転中に親指が引っ掛かり歪な出来そこないに過ぎぬのだが怪我の功名と云おうか瓢箪から駒のように突然変異して見事な逸品に生まれ変わってしまったようなのだ。


意図した訳ではなかったが釉薬に絶妙なる濃淡が生じ味わい深さを益してくれた。


或る日のこと気分が向いたので一服立ててみようと茶筅を取り出し抹茶を探すのだが肝心要の挽き茶が見当たらない。


家内に尋ねれば何と誰も飲まぬので疾うの昔に処分したというではないか。


そう云えば我ら侘び世帯には長きに亙り抹茶とは疎遠にして縁遠き生活ぶりだったは偽り無き事実でありましょう。


抹茶が此の家に在った事を覚えていたわたくしととうの昔に捨ててしまったことを憶えていた家内共々


現時点には両者ともに安泰なりセーフでありました。


共々よろこぶべき出来事になるのでしょうか。