この際、又いろいろ勉強いたしました。
わが終生の憩いの場でもある額谷地区に額東神社がある。
この神社の境内に小さな立札が建つ。
日置(へき)謙に師事したという郷土史家大鋸 ( おおが )彦太郎氏のコレクションの一つにとても面白い「白山詣双六 ( はくさもうですごろく )」があってその絵双六の一コマを解説されているのです。
此のお宮の前に「額谷茶屋」があって嘗て江戸の昔に前田の殿様13代藩主斎泰( なりやす)が此処で一服されたと書いてあるのです。
その茶屋跡には現在は大きな邸宅が建つ、表札には「やまぎし」とある。
案内を乞うてご主人より往時の経緯をお聞き致したのです。
昭和の初期ころまではお茶屋として営業していたらしいが文献史料はどうしたことか散逸してしまい残念なことだと嘆かれていた。
茅葺であった当時の建物はあるはずもないがお庭にはその当時を匂わせる意外なものを発見したのです。
なんとやまぎし邸のお庭の随所にはあの「珪化木」が幾体もなく配置されているではありませんか。
ご主人は私が採掘したものではないとおっしゃるが
やはり此処額谷地区は紛れもなく「珪化木」の宝庫であることが見事実証されました。
帰り際には、「お持ち帰りください」と貴重なる一体をプレゼントなさったのです。
わたしは子どものような満面の笑みを湛え嬉しそうな顔で受け取ったのです。