老いのひとこと

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春の日差しが燦々と降りそそぐ。


体育館の窓越しから、朝日が煌々とフロアに照り返す。


無人の館に身を置き悠然と走禅を試みる。


身も心も引き締まり充実の一時である。


もっぱら陽だまりを好んで木の温もりを感触する。


体育館には赤線、青線、黄線、緑線のラインが縦横に走る。


わたしは好んで青線の上を行き来する。


巾30メートルほどの間を折り返し行き来する。


走るといっても疾走なんて出来っこない、呼吸を整え心静かに姿勢は正しく背骨を張って青線に沿ってゆっくり走る。


すると不思議な現象が起きる。


目の錯覚でしょうか、青線に重なるように寄り添うように黄線が現れては消え消えては現れたりするのです。


決して、黄線以外の赤も緑もあらわれないし、青線以外の色のライン上で試すが感応したことがないのです。


 


加齢と共に来した視覚異常なんでしょう。


又しても取るに足らぬ下らないことに拘り驚き嘆き恐れ落胆したりするのです。


此れは取りも直さず、未だ無の境地に至らず邪推邪念雑念の渦に身を曝す何よりの証しなのでしょう。