老いのひとこと

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豚もおだてりゃ木に登る。


此のわたしとて他人様におだてられればその気になって木によじ登るかもしれません。


サルや猫とかリスや熊ならいざ知らずカエルが木登りをするとは知らなかった。


カエルもおだてりゃ木に登るなんてシャレにもならない。


あの両生類のアマガエルが桜の木に登っていたのです。


水辺のほとりの草むらをねぐらとするはずのあのか弱いアマガエル君が樹上生活をしていたとは驚きです。


よくぞわたしの背丈の高さまでも登ったものかと感心するばかり。


黄緑色の体色が桜の木の樹皮の色に見事変身済みです。


外敵から身を守る術をちゃんと心得ているし蟻などの小動物を捕食するにも都合がよかろうことよ。


水も欲しけりゃ樹皮の窪みに身を潜めば十分だろう。


よくよく見れば二匹いた、つがいに間違いない。


ネムーンを邪魔していけないと思いつつもカメラのフラッシュで余計邪魔をしてしまったようだ。


身をよけぞって警戒心を露わにしたようだ。


 


カエルの生態に目を注ぐこともなくただ漫然と生きてきた我が身が鬱陶しい。


味気ないつまらない人間であったことを恥じ入りながら、その桜の木の下でわたしはラジオ体操に息を弾ませるのです。