石段を
登り詰めれば
氏神ンさま
禅が峯
七十七段
寒修行
左義長に
氏子挙りて
賀を祝う
左義長に
雪なき風情
魔訶不気味
正月の縁起物を焚べに行く。
しめ飾りにでんと構える橙は代々 ( だいだい )の子孫繁栄を願う立派な縁起物であるという。
此れだけは取り外す慣わしで例年なら何の躊躇もなく生ごみとして処理された。
しかし、考えてみればゴミ処理とはいくら何でもご先祖代々を蔑ろに致すも同然大いに憚らねばなるまいぞ。
有効活用することでふと想い付いた。
此の絶大なる勿体ない主義者は柚子ジャムならぬ橙ジャムに挑戦した。
同じ仲間の柑橘類なんの違いぞ在ろうことか。
原形を留めた中間製品、ジャムになり損ねた得体知れぬものに仕上がった。
まな板で裁断しみりんと料理酒にはちみつと白砂糖、
塩少々にクエン酸までさらに加えた乙な味、苦み走った珍味なり。