法定の事≪11≫

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法定の事=長短一味 その2


 


冬には万物みな眠るがごとく死せるがごとく息をひそめているが生気だけは臍下丹田に確と内蔵している。


 


古流剣術には足切りの技はあったという。


打太刀の足切りを仕太刀は鎬で防御する、剣の攻防ではあるが鎬で受ける先にお突きにゆけば勝負はついてしまう。


だから打太刀は突きを躱しながら剣を振り下ろし足を切りにいかねばならぬ。


何れにしろ、足切りは剣尖が下方に流れ身を危険に晒す。


それで、直ちに剣を目の高さに霞の構えに変化する.古流剣術の醍醐味はこんなところにもある。


 


 


11-打太刀は


   閉足直立諸手上段からおもむろに左足を大きく一歩踏み出し、此の踏み出した左足を右足まで退くと同時に「ヤエー」の発声で正面を打つ。


11-仕太刀は


   同じく閉足直立諸手上段から左足を大きく一歩踏み出し、此の踏み出した左の足に揃えるように右足を前に進め「ヤエー」の掛け声と共に正面を打つ。


12-打太刀は


   閉足正眼の構えから徐々に諸手上段に移る。


12-仕太刀は


   打太刀の上段に対し閉足正眼の構えの剣尖を確と打太刀の咽頭部に付ける。


13-打太刀は


   直立諸手上段から右足を斜めに大きく踏み込み剣尖大きく弧を描き同時に「ヤー」の発声で仕太刀の左足を袈裟切り行く。


13-仕太刀は


   閉足正眼の構えから左足を大きく退くを同時に足切りの太刀を表鎬で確と止める。


   この時には「ヤー」の発声が伴う。


14-打太刀は


   踏み込んだ右足を左足まで退いて閉足直立諸手上段となる。


14-仕太刀は


   退いた左足を右足まで進めて閉足正眼となる。


15-打太刀は


   左足を大きく前へ進めて仕太刀の右足を「トー」の掛声で切りに行く。


15-仕太刀は


   右足を退くと共に打太刀の足切りを防御する。


16-打太刀、仕太刀共に


   霞の構えに変化する。