異様な自分自身が今此処にいる。
或る意味少々薄気味悪い、傍目には異常に映りましょう。
笑う必然性のない場所で突然にったりにっこりと微
笑み返す。
それも日頃はめったに笑わない笑うことすら忘れてしまったような無愛想な仏頂面の人が突如嬉しそうな表情に一変する。
これはまさに狂い人そのものでしょう。
何故かしら自分でもよく理解できぬのだが例の緩スロープの雪面で鶏の鳴き始めるのをひたすら待つ。
やがて壁によじ登り僅かな隙間から中をうかがい覗き見る。
赤い大きなトサカが見える。
よく見ればさらにいる横縞模様が二羽見えるではないか。
肩寄せ合うように一家団欒中、狭いながらも楽しい我が家みな何不自由なく至って満足気・・・
自然と笑みがこぼれてしまう何故かしら笑いが込み上げ笑わない人が笑い始めているではないか。
笑いを醸し出す此の場所が好きだ。