老いのひとこと

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実父忠勝の五十回忌と継母ミサオの三十三回忌を兼ね合わせた法要が実家にて執り行われた。


二つの法要を同時開催は珍しく懇ろに営めば半日は掛かりますよとお寺のお坊さんはおっしゃる。


本日は、小さなお子さんも見えるので端折って超特急で参りますがそれでも1時間以上は掛かりますよと釘をさされる。


足が痺れれば遠慮なしにホドケさまに足を投げ出しても一向に構いませんよと諭される。


始まればなるほど長い、長いどころの話ではない確かに文句なしに長い。


周囲に目をやればことごとく脱落しみな前後左右にくねらせ崩れゆく。


わたしは我を張った、苦痛を甘受するべくおのれを賺しなだめ通した。


迷惑を掛けた親の恩義に報わねばなるまい、そうおのれに言い聞かせた。


お坊さんはもう終わったかに思わせ又つづける、又々つづき延々と読経は続いた。


ようやく終わり、浄土三部経を解説為される。


無量寿経観無量寿経阿弥陀経と仏教の世界も大変奥が深い、お経の長さと相俟って益々大変な難儀さがよくわかった。


 


帰り際に弟より耳寄りな朗報を戴く。


高橋家に纏わる遺品が数点仏壇の奥から出て来たので此の際之を兄貴に任すという。


よしなに処分してほしいと弟は云う。


わたしには家宝級の品々を目の当たりにし自ずと頬が緩んだのです。